言葉・マインド

認知症の末に何を語るだろう

もし自分が認知症になり、自分が誰なのかも分からなくなってしまった時に何を語れる人になるだろうか。こんなことを考えたのは、大好きなお爺ちゃんの言葉からでした。

祖父は、祖母の死をきっかけにどんどん認知症が進行していきました。肺がんも患い、体力もなくなっていた頃、高熱をだしてせん妄状態になっていました。毎日家を訪ねていたある日のこと、ドアをあけると裸になって、机の上に座り込み、ボーっとしながら一点を見つめ、もう先は長くないと感じたときです。

救急車を呼び、病院に運ばれている途中に祖父は私にしっかりとこう言いました。

『大好きな人のことは、一生忘れません。』

もう認知症で、おばあちゃんが死んだことも、家族の名前も、自分の名前も、何も分からなくなっていた時です。しかし、それは心からの言葉でした。いつも家族を心から愛していたおじいちゃん。家族の幸せこそが我が幸せだと言わんばかりのおじいちゃん。

その後、約2週間後に祖母の元へと旅立ちました。

あぁ、あたしもこんな言葉を残せるように生きていきたい。

大切な人を、大切にして生きていこう。

写真は亡くなった1年前のもの。名前は忘れても、近い存在は分かるみたい(*’ω’*)コンビニでアイスクリーム半分こ!

せん妄とは…突然発生して変動する精神機能の障害で、通常は回復可能です。
注意力および思考力の低下、見当識障害、覚醒(意識)レベルの変動を特徴とします。
(MSDマニュアル 家庭版より)

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